2025.10.01
岩手大学 理工学部 電気電子・情報通信コースの村田健太郎助教が、2025年9月29日(月)~10月1日(水)に沖縄県市町村自治会館で開催された「革新的無線通信技術に関する横断型研究会(MIKA2025)」において、ポスター賞(シニア部門)およびスポンサー賞(キーサイト賞)の2つの賞を受賞しました。
受賞対象となったポスター発表では、無線通信分野で注目されているRIS技術※注1を、電波を用いたヒトセンシングレーダの評価試験系に応用する新たなコンセプト「生体を電磁的に模倣するインテリジェントファントム(LiePH: Life-emulating Intelligent Electromagnetic Phantom)」を提案し、実証実験結果を報告しました。
LiePHは、事前に記録されたヒトに照射されて散乱したレーダ信号を、生体の電磁応答として再生することで、ヒトの存在や動作を仮想的に現実空間へ再現する技術です。これにより、従来のヒトセンシング用レーダの試験に必要だった被験者を用いることなく、低コストかつ高再現性の試験を効率的に実施することが可能となります。
本技術は、ヒトセンシングレーダの標準化ベンチマークプラットフォームとしての活用が期待されており、今後の研究開発の加速および早期の社会実装への貢献が期待されています。
※注1:RIS: Reconfigurable Intelligent Surface
電波の反射特性を動的に制御可能な人工表面であり、入射した電波の散乱・伝搬特性を自在に制御することが可能な技術。
【受賞情報掲載URL】
https://mika-wc.org/2025/awards/
【受賞ポスター情報】
発表題目:生体を電磁的に模倣するインテリジェントファントム
著者:村田 健太郎(岩手大学)
【謝辞】
本研究の一部は、総務省SCOPE(受付番号JP235002001)の委託、競輪(2025M-328)の補助、 JSPS 科研費JP23K13328 の助成及び文部科学省世界で活躍できる研究者戦略育成事業「学際融合グローバル研究者育成東北イニシアティブ(TI-FRIS)」の支援を受けたものです。
本件に関する問合せ先:
理工学部 助教 村田 健太郎
kmurata_at_iwate-u.ac.jp