2025.09.18
岩手大学大学院 理工学専攻 電気電子通信コース博士前期課程2年の小澤勇人さんが、2025年9月18日に東京農工大学小金井キャンパスで開催された電子情報通信学会アンテナ・伝播研究会(AP研究会)において、アンテナ・伝播研究専門委員会優秀ポスター発表賞を受賞しました。
受賞対象となったポスター発表では、Reconfigurable Intelligent Surface(RIS)※注1 を用いた無線電力伝送において、受信信号強度(RSSI)のみを用いたチャネル推定手法を提案し、少数のセンサ構成でも高精度な電力伝送が可能であることを示しました。
さらに本研究では、物理法則「フリスの伝達公式※注2(自由空間中の見通し環境において同一の伝搬距離を仮定した場合)」を上回る給電効率の実現が可能であることを、実験により実証しました。
本研究は、RIS技術の実用化に向けた新たなアプローチとして高く評価され、優秀ポスター発表賞に選定されました。今後のさらなる研究の進展が期待されます。
※注1
Reconfigurable Intelligent
Surface(RIS):電波の反射特性を動的に制御可能な人工表面であり、通信環境に応じて電波の伝搬経路を最適化することで、通信性能や電力伝送効率の向上を図る次世代技術です。
※注2
フリスの伝達公式:自由空間中での電波伝搬において、送信アンテナから受信アンテナへ伝搬する電力の理論的な上限を示す式です。
発表題目:RSSIのみ観測可能な少数センサによるチャネル推定に基づく大規模RISを用いた無線電力伝送
著者:小澤 勇人、村田 健太郎、本間 尚樹(岩手大学)
謝辞
本研究の一部は、JSPS科研費JP23K13328の助成を受けて実施されました。
本件に関する問合せ先:
理工学部 助教 村田 健太郎
kmurata_at_iwate-u.ac.jp